「犬が人間を襲い、80代の老人が死亡」/渕崎。
」と「犬」という二種族の間には公平さなどは最初から存在しないのだ。
「人間」と「犬」は最初から平等になどなりえない。
わたしは愛犬を愛している。
愛しているからこそ、躾を施し、彼が犬であることを認識し意識しなければならない。
わたしが冗談交じりに常々口にする「こんなでも狩猟犬なのにね」という言葉の通り、
狩猟犬として交配され種を保ってきた愛犬は本能を剥き出しにして人間に牙を向けば、
人間の肉など神経など平気で噛み千切ることができるのだ。
愛らしい目をわたし達に向け、甘えるように擦り寄り、喉を鳴らす彼がわたし達家族に牙を向かないのは、
そう躾けられているのと、相互間に信頼が存在し
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