朝/
紅魚
の肩口のまろみの方が甘そうだったって、
それは内緒、
なんだけど。
ねぇ、テレビがついていたよね、
嫌いなアイツが我が物顔でさ。
ようやく明るくなった部屋に、
まんぞくのお腹とりんごの匂いときみと、
それから丸まったおふとん。
これこそ、完璧な朝のありようだって、
あたし、
そう思ったのにさ、
甘そうなきみは、
やっぱり甘くて、甘くて、
結局またすぐに、
お腹すいちゃったんだ。
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