贅沢な朝/ウデラコウ
雑踏に紛れてゆくのだ
1本早いバスに乗ったら
違う景色に会えるかしらって
期待してみたけど
見えるものは
差して代わり映えもせず
曇天はどこまでも曇天なら
それで構わないから
たまには グリーン券なんか 買っちゃって
行き先は あの丘の街
だなんて 格好つけて
勝手に 日常から
抜け落ちてみようか
そんなことを 考えながら
なかなか仕事が 終らない 貴方に
この 朝を 話したいなぁ
って 願って
誰もいない待合室で
目の前の いつもの 電車を 見送ったら
ふいに
貴方が 言葉をなげてくれるから
あぁなんて
素晴らしい朝だと
それだけで
全てが煌めく
贅沢な朝
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