かき集めて/soft_machine
 

けれど
今年も冬が越せたから
もういいんだね
おはよう
おはよう
久しぶりでも
お互いを覚えて忘れなくなったら
あした、会えたら、
名前を聞こう

夜と霧を通り抜けるコートの影
顔も身体も空っぽだ
かた目を瞑った並びだ
老人ばかりの商店街が両手を広げて
青い血を空に振り染める

コインランドリーに待つ間
ちいさな声を立てるものがある
この部屋のどれだろう

蓋を開けると
前の女の匂いが残されて
濯い終りを告げるブザーは
頁にしおり腰を湿らせ

また酔っぱらって
いったい何軒?

酒くらい、しつこいなぁ
毎度毎度あんまりうんざり
バイ
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