「 林檎を囓って。 」/PULL.
 






赤いスニーカーのストーカーに目印つけた。
あの血をずうっと辿ってゆけばきみはいる。
きみはそこで眠っているの青い顔で眠って、
あたしのキスをきっと待っているのだから、
この林檎を囓って眠って待っていてあたし、
もう待つのはこりごりだけどそれでもいい。
冷たいキスは贈り物きみへの最後のあたし、
あたしはどこにいるのどうして寒いのここ。
ここからあの血を辿ってゆけばそれでもう、
あたしきみに逢えるのにどうしてこんなに、
寒い寒いのもう動けないあたし想い出した。
あたしきみに殺されたもう林檎は囓れない。












           了。


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