煩悩/はじめ
64000もの煩悩が僕を苦しめる
業惑縁起に翻弄されながら僕は阿羅漢になる為に全ての煩悩を断ずるつもりだ
けど無余依涅槃に辿り着いても永遠を手に入れるだけで何も良いことがないじゃないか
僕の中に消えない煩悩が一つだけあった 君への愛だ 僕は何の為に煩悩の火を消しているのだろう
何の為に阿羅漢になり仏に近づこうとしているのだ? 君を失ってから僕の中から何も無くなってしまってから目標も夢も持てずに 乞食同然で世界を放浪していた時 偶然瀕死の仏教徒を見つけ 看病してやったところ 「貴方には仏様がついています。修行して煩悩を捨て阿羅漢になれば貴方の心に深く沈んでいる碇を引き揚げることがで
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