融雪プランクトン/鯨 勇魚
あてもなく、この先は、動かされるままに。
意識とは別に、行く先は、南、でした。
無音の、ファンネルからの、伏流は、
見ている人しか、伝わらないなんて。
見えないだけでしょう。
淡く光る、ちいさな合わさる霞。
邪魔にならない、光があるのだろうか。
あんなに、今は、弱い輝き。揺れている。
身体が受け止めるたびに優しい揺らぎづつに。
ぷらん。
くとん。
南へいけば行く程に、冷たい風が刺すのに。
それを、見つけたが為に、
温かさをかんじさせてくれた、
融雪。の、流れ際にまわり。
光る、灯台回転光が揺れながら。
いいえ。これは、あたし達が揺れてるの
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