Poor Poet's Love Song/佐々宝砂
 
いつよりずっと熱い酒をきみにやる
ぼくは詩人だから
きみがほしがるものすべてを言葉で構築する
きみが空を飛びたいなら
飛ばせてやれる
月の裏側にだって連れてゆく
時空を駆け抜けるタキオンより素早く
きみを天空の彼方に連れてゆく
言葉のエメラルドをきみの首にかける
言葉のティアラをきみの頭にささげる
もうこれが最後で
これ以上きみにやれるものはないんだ
ぼくの財布はきみのせいですっからかん
だけど絶対に
ぼくなしではいられないようにしてやる
言っておくがぼくは本気だよ
詩人てものは嘘つきだけどね
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