ゆめのようなもの/キメラ
朱銀のスプレーを吹きかけ
月が街灯に拡散し立ち昇る黄蝶の渦巻き
肌寒いモノクロリボンを路地裏に解き放したまま
退廃のエアープレインが
氷雨玉の群れを爆撃してる
なみき通り
倒錯したガーネットは燃ゆる
真赤を結晶し小さな蠍の点滅
トラック達は月の夜にねむり
痩せこけたリオの砂丘に錬金のパイを夢みてる
きらきら
真空のガシェット
あの美しきビー球の錯乱
光沢廃材の尖ったあなにも蛍光した
シンフォニティーレイン
青い惑星の
青い海 青い空
あお
く
波間にはぐれ
わら小屋の木馬
トロイの隠れ家から
トランジスタRECに爆発の野菊を投げ込む
届けたのはあたたかな5月
あかね空 北のカンヴァス
上方の幾何学
コールサックが瞬き
深夜無声影像に白銀の彼方
淑やかに白鳥を孕み
波紋が造形するいちばん近しいさざ波が旅立つ
それはきっと
友人であった感性の終日
ひとり佇んでいた星空バス停では
ゆめのようなものが灯ってはきえる
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