イチコが死んだ日/
 
望を散りばめようとして
そして失敗します









イチコが死んだ日

空は晴れ晴れとしていました

イチコが死んだ日

おまえは枕に顔を突っ伏して
泣いていました

イチコが死んだ日

おまえの母も少し泣いていました
おまえは知らないでしょうけど

イチコが死んだ日

三年程使っているトースターのチンという音を
初めて聞いた気がしました











おまえはびっくりするかもしれませんが
僕にもわからないことが沢山あるのです

ただ思うのは
死というのはなんと残酷なものだろうと

ただ思うのは
死というのはなんと冷ややかなものだろうと







だって






一番やさしい人が

一番苦しいのだから








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