さくら、ふたたび/恋月 ぴの
 
どこまでも続く桜並木の先に在るものを
確かめたくて
あなたと手をつなぎ歩く

親子ほどにも見られそうで
控え目なあなたの腕を
胸元にまで引き寄せ
歳の差なんてね

桜は潔く散るから美しい
そして
散り損ねた人生はあまりにも醜い
それは あなたの口ぐせ

それでも
寄せ合う肩をさくらの色合いに染めて
ふたり ゆっくりと歩む

いたわりあう事の大切さと
現実を受け入れる思いさえあれば

やり直せるんだよね

たとえ 昔のようにはいかなくとも
歩き疲れたら
ゆっくり休もうよ

ほら
この桜並木の登り坂は
一歩一歩 確かめながらと教えてくれる


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