侵緑/ねなぎ
 
まり
ぼやけて
滲んで
欠けた宵

標本化による利得が
ふわりと流れて漂って
匂うのは声か
それとも領域か

笑うように
風が凪いでいると言うのに
歩けば遠く
農薬の匂いに巻かれて
青くなる

舐めるような符号が
何所かで鳴っているのだろう
未だ処理について行けずに
眠ったまま

溢れた息が
満ちているように
思案と黄色で捕食され
夕焼けと宵闇は白く
息付く色素が浮かばれる

侵食されて
流れて消えてしまい
薄い夜に境が見えず
区切れもせずに
ぼんやりとしたまま
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