キリンと/ねろ
誰かの足跡が誰のものでもなくなって
行き交う人は無音の足音を響かせる
黄色と黄緑、とピンクの水玉が歩いていく
夜をつれて来る られつのまわらない僕は
這いずり回る僕とすれ違い明滅を繰り返し
唄いながら歩いていく
赤い糸電話で繋がる僕と君
昨日青い8がきた事なんか知ってるよ
深海みたいなビイ玉がころがっていって
寝癖がついた後頭部にキリンが巣食う
夜のかくれんぼうは光のない場所から始まる
猫の目の下の縁に黄緑のアイシャドウ
舐めとられていく色彩のデッサン
震えままひざを抱える感傷
黄色い四角の天使がやってくると
僕の感情は隠されて出てこなくなった
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