白という色の可能性について/猫のひたい撫でるたま子
 

白いシーツの隙間には、これから開けるプレゼントの包み紙をぺりぺりと破る興奮が存在する。まだ破られてもいず、包装紙がゴミにもなっていない。この白が汚されるなんて想像もできない可能性の、白。

白けたい感情というのは、恋に落ちた者が、どうしようもなく夢中になっている状態を脱したいがため、甘い気持ちで脱したいと切実に思うこと。白けてしまった後の空虚な気持ち、覚めて無くなってしまった恋の抜け殻については思いをはせることは無い。

白んだドレスというのは、ある洋服作りが忘れられない彼女に贈った一枚のワンピースのこと。このワンピースはいずれ彼女の袖を通ることになるのだが、彼女がこのワンピースを着て
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