春に近い夏に通う/吉岡ペペロ
 
ぬるい風にたなびいた

四月の濃淡とくもり空

街にはみどりの幽霊が

夏への影を蓄えている


坂道を駅へと下る

君は春に近い夏に通う

バスに追い抜かれ

身を小さくさせている


ぬるい風にたなびいた

四月の濃淡とくもり空

街にはみどりの幽霊が

夏への影を蓄えている
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