約束/草野春心
 


  春に桜ほどではないが
  君の長い髪に君の白い丸顔が似合いだ
  いつか散ってしまう危うさは無いが
  熟れてゆく愉しみがある



  夏に雲ほどではないが
  君の笑う声に君の薄くちいさな唇が似合いだ
  流れもしないし消えないけれど
  束の間光って胸に焼き付く



  君は約束を破りつづける
  それは最期の約束を守るための抗いなのか
  だから君は散らず流れず消え去らず
  はっきりと死ぬ


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