君に触れたくて/はじめ
 
 この先にある午前中の玩具屋
 眩い白い光に包まれて
 僕は2004年に戻ってきた気分になる
 バスを降りて暫く坂を下ると
 異国の風情漂う町が見えてくる
 そしてその一角に僕が働いている小さな玩具屋がある
 過去の光が店内に射し込んできて とても気持ちが良い
 店長はまだ見たことはない ここに履歴書を出しに来た時も「ここに置いておいて下さい」と指定された場所に置いておくと 数日後に自宅に採用の旨のワープロで打たれた手紙の入った封筒が届いたのである
 毎日 10時から夕方の5時まで働いている 買い物客は子供から大人まで実に様々だ 色んな生き物達が玩具を買いに来ている 店が終わると清
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