ミッドナイト/nm6
 

キラーパスに乗っかった旅を途中のままに
残像がクリープに溶けてしまう前に 喉を痛めて
黒いマスカラを 鏡の先へ続いていく姿を

この界隈にはいつもがらんと声が
響いて 跳ねまわり遠回りばかりしていて
アスファルトから立ち上がる短い直方体を
何だろうと崩しながら 記号だらけに落ち着いて

傍らで
きみの記憶の遠くを踏んで さかのぼってゆく船で
海風に震えてぶつかり続けて永遠に連続するバババという音に
片道に過ぎていった時間と 明日や明後日の指折り数え方を
いきおい濁した液体をすり抜けて 遥かではない後方に押しのけて
さあそれはそのままに さあ夜も遅くに 散歩に出かけるその少しの間に
音もなく奏でる涼しさを 飛ばし読んでしまいましょう
ぼくらはきっとなにやらかにやら どうにも仕方ないのです
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