在りか/
tonpekep
ふと
したことについて
ふと
わたしは
道標に
いつまでも
宿題をわすれている
ふと
空が滑り
ふと
雲はいつのまにか
描きかけた
キャンバスの中に
紛れ込んでいる
ふと
冬の在りかを記した
地図を書く
ふと
そこは春でもあり
夏でもあり
秋の在りかでもあることに気づく
ふと
今日詩が書けたことがうれしく
ふと
今日一度も携帯の鳴らないことに驚き
たくさんの話し声が
わたしを通り抜けてゆく
聞こえない
在りかに向かって
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