コザカしくないひと/んなこたーない
大差がない。
もしぼくが何かを読むとしたら、それは文字の向こう側にいる人間に興味があるからなのである。
自伝や回想録の類が好きなのもそのせいだと思う。
いまは人生論的な解釈や批評は流行らないみたいだが、マネキンを相手にするくらいなら、
いっそ書を捨てて町に出たほうがマシな気がする。世の中には多くの娯楽が存在するのだ。
ただでさえ短い人生である、なるべくたくさんの人間と触れ合うよう努力すべきだ。
特殊な情緒を喚起させるのが詩の仕事であるという考えがある。それには色んなやり方がある。
異様な比喩を使ってみたり、字引から珍しい単語を拾ってきたり、
シンタックスを崩してみたり、不自然な
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