「僕の自由」/和 路流(Nago Mitill)
 
より孤独がいいと、冷めたふりを装いながら、
他人の価値観に依存した定規で、自分の度量を測ってたんだ。

泥まみれの制服で踊った時、分かった。
今、死を選ぶのも、生を選ぶのも、
同じだけの価値がある、僕の自由。
世界を狭めるのも、世界と繋がるのも、僕の自由。

自由が無造作に与えられているという幸運を噛み締めながら、
完全な自由は、ただ孤独を生むのだと知った、若い日の僕。

孤独に死ぬのも、世界に僕を生かすのも、
僕の自由。
古ぼけた歩道橋の上で、踊らなくなった今も、
灰色の空を見上げながら、自由の意味を考えている。

僕は、自由だ。


              (2007年・筆)
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