「僕の自由」/和 路流(Nago Mitill)
 
自転車を乗り捨てて、駆け上がった歩道橋の上。
流れる車を下に見ながら、一人 跳ねて踊った。
土砂降りの雨で、制服は ぐしゃぐしゃ。
泥にまみれても、気分は最高だった。
灰色の空を見上げながら、その時 思った。
僕には、自由がある。
今、ここから飛び込んで、車の波に血を ぶち撒けるのも、僕の自由で、
明日から続く未来を見に、生き続けるのも、同じだけの僕の自由だ。

広い世界を見るのが怖くて、自分で目を逸らしていたのに、
自分で作った狭い部屋の中で、
世界は狭い、誰も僕を受け入れてくれないと嘆き、
世界を憎んだつもりで、自分を嫌悪していた。
群れるより
[次のページ]
戻る   Point(3)