ECHO TIME18/
板谷みきょう
き離れず
あらためて
足元の砂をすくいあげ
一粒もこぼさぬ様に
一粒もこぼさぬ様にと
強く握り締めても又
同じ繰り返し
目の前にはだだっ広い
果てのない海原があると云うのに
立ち上がり
歩くのも忘れて
ただ足元の砂に
瞳を落として
精一杯
ちっぽけな両の手で
すくいあげている
そんな私を
支えてくれる妻が居て
子が居て
だだっ広い海を目の前にしていながら
戻る
編
削
Point
(2)