君にわがままな僕のお願い/うおくきん
 
楽しく生きていけるといいね。
そうすればその敵意たっぷりな邪眼も、歳の離れた弟をかわいがる優しさたたえたお姉さんのような目つきに変わるかもしれないじゃん。

そうしたら、その邪眼も隠す必要なくなって、隠すために伸ばしすぎた前髪もサッパリさせてさ、そのかわいいおでこなんかだせるようになっちゃうかもしれないじゃん、そのほうがいいと思うよ。

そうしたら、そのおおげさなマスクも外せて、一時間ごとにリップで手入れされてるよーなそのかわいい唇さらせるようになるかもしれないじゃん、そのほうがいいと思うよ。
昔みたいに笑いなよ、顔隠すのやめなよ、そのほうがいいと思うよ。だって、君はかわいいんだからさ。

せっかくかわいい女の娘に生まれてきたんだからさ。
ねえ、昔みたいに笑って生きていこうよ。
でも、地獄なんだろーね。なんで顔隠すのかわからないけど地獄を味わったんだろーね。
でも、昔みたいに笑って生きていこうよ。

ごめんね、わがままな僕のお願いでした。
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