懺悔/atsuchan69
贄となった
いつしか僕は、罪と名声との関わりを紐解く・・・・
つまり人はいかなる悪事を働いても、
処罰されぬかぎり幸福であるという事実。
したがって名声を得るためには万人の前で善を行い、
隠された場所で罪への生贄を屠るのである
星はまた、暦と支配の法則を僕に教えた
人が人でなく、真に奴隷であることや
大罪も、幾度となく重ねればやがて麻痺することも知った
まして他人の痛みなど、僕には全く無関係であった
万物が感情のない言葉によって築かれ、
感動と引換えに手中におさめた富や名声が
あまりにも空しく、虚空に消えてゆくさまを――
大地の上で極め尽くした栄華や知恵の
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