懺悔/atsuchan69
微かに嗅ぐ、肌と肌。その色気づいた生ハムの匂い
やむなく賑やかな大通りを外れ、湿った石畳の狭い路地へ
疲れ果てた営みの世界をほんの数歩離れると、
異教徒の市場。――豚の耳や足、蜥蜴の干物等がならぶ
女、子供まで売られる店先を仄暗き顔の花売りが過ぎ
そして勝手気儘な、深淵へとつづく心の闇が巷に溢れる
唯ひとり、キリストの愛にどこまでも背けば
冷たい星の光が//宇宙に手を触れよ、と云う
アンドロメダから吹く、艶めかしい風の夜、
僕は初めて人を強靭な刃で殺めた。
胸には、鮮かに【死】の刻印が描かれ
磨かれた刃金の言葉が彼の心臓を貫いていた
歳まだ若く、彼は邪教の神の生贄と
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