水晶夜/石瀬琳々
 
頰杖でまどろむ窓辺何もかも
    透き通ってゆく水晶夜にて


草のゆめ針の夢またむらさきの
    時のうつろい夜は傾き


果敢ないと花びら時に散るならば
    肩に腕(かいな)にせめてくちづけ


また一人グラスにそそぐ檸檬水
    明日になればすこし潤う


窓むこう眼差しそらす違う顔
    夜のひとみは瞬(まばた)きもせず


[グループ]
戻る   Point(21)