【短:小説】あまがえるの雨宿り/なかがわひろか
ていた。側にあったスコッチのボトルは、もうすっかりなくなってしまっていた。
外を見ると雨が大分おさまり、雲間から陽が差してきている。
僕はその景色を見ながら、あまがえるの後釜を継いだらどうなるんだろうと思いながらグラスに残ったスコッチを飲み干した。
僕は雨が好きだから、きっと毎日雨だな。そうなるとここは『あまがえる指定避難場所』にでもなるのかな。
あまがえるは大きないびきをかいていて、まだ起きる気配がない。
今夜はここに泊まっていくだろう。
外はすっかり晴れ渡っている。
今日はなかなか悪くない一日だ。ゲコゲコ。
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