家族という不思議な集合体。/渕崎。
なものも趣味も性別(母は別だが)も年齢だってまったく違う、共通点なんかまったくない相手なのに、なのにもうずっと、わたし達は家族をやっている。
そして、それが当たり前のようで一等幸福なことであることも知っている。
だからわたしは今日も、この「家族」とはなんとも不思議な集合体の中に身を浸して家族の声を聞き続けるのだ。
「おはよう」
「いってらっしゃい」
「おかえりなさい」
「いただきます」
「ごちそうさま」
そして、今日もまた
「おやすみなさい」
当然のように当たり前に明日が来ることを疑わずに。
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