水の祈り/青色銀河団
 
星の椅子に腰かけ
流れるままの時間の粒子を浴び
誰もいないという
ひびきからはじまる水面の波紋が
夢見るまま紅の空へ続いていくのを
永遠に眺めながら

なつかしいことばは
やさしい手に撫でられて
そらの深みへと吹かれてゆく

水の祈りのことば
成就しないことば
にじんでゆく人の
記憶のなかの人のにじみ
夏についてわたしが知るすべてが
そこでおわっているはずの蜜柑畑で
わたしはいつまでも
あなたを待っているよ



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