僕は神様/はじめ
んなものだったっけ?」
「またその質問かい?」
僕は聞き慣れた質問に、答え慣れた返事を返した。
「どんなものかって? …ええとねぇ、バナナっていうのは黄色い色をしていて、こういうふうにグニュって曲がって三日月さんみたいな食べもののことなんだよ」
僕は手を使ってバナナのジェスチャーを交えながら説明した。しかし、よく伝わっていないのか、アカリは首をちょこんと傾げて何やら複雑な表情をしていた。どうやら頭の中にまだ引っ掛かることがあるらしい。
「……うーんと…、じゃあ、パパぁ、?きいろ?ってどんなのだっけ?」
アカリは白い歯とブラウン色の瞳をキラキラと輝かせて尋ねてくる。くーっ、堪ら
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