僕は神様/はじめ
いつも彼女を呼ぶとき、当然、この世界には僕とこの子の二人以外誰もいないのだから、ただ?おーい?と呼びかけるぐらいしかしていなかったし、この世界では大体が名前なんて必要ないんじゃないかと、彼女がまだよちよち歩きの頃ちょっと考えたことがあった。しかし再び考えてみると、やっぱり名前というものはこれから先、彼女が成長していく上であったあったほうがいいような気がした。いつか僕が突然彼女と出会った時のように、彼女も僕もまた、いつか誰かと出会うかもしれないからだ。そのときにその人間が(人間とは限らないかもしれない。動物かもしれないし昆虫かもしれない。それは誰にも分からないことなのだ)、大人か赤ん坊か高校生かサラ
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