僕は神様/はじめ
金の布は、この世界のどの景色よりも目映く輝いていた。白金の布はまるで僕の血の池から赤ん坊を守るかのように、自ら犠牲となって、すでに血溜まり色に半分ほど身を沈めていた。しかしそれに染まってはいなかった。当の赤ん坊は、全くそんなことに全く気づかないのか、気にしていないのだろうか、気づいていてもきつく巻かれた布のプロテクターの中で身動きがとれず、逃げ出したくても逃げ出せないのだろうか、相変わらず赤ん坊は一向に泣き止まなかった。赤ん坊の呻き声をただじっとしていると、どういうわけか(男の僕にも女性特有の母性本能というものが実は生まれつき備わっていたとすれば話は早いのだが)、僕は無性にその赤ん坊を血溜まりから
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