ひっこし/たもつ
 
べらんだでは
せんたくものが
かぜになびいていた
にわのしきいしを
あるけば
かげがおちた
さいごのひ
しらないおじさんが
ちちとはなしをしながら
いえをのあちらこちらをみて
しきりにうなずいたりしていた
おひっこしはさびしいね
くるまのなかでいうと
ませたこというねえ、と
かぞくや
てつだいのひとは
わらった
ほんとうにひっこしは
さびしかったのだとおもう

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