四月迎え/千波 一也
 
掛け違えた光だとしても
あふれかえることに
消えてはゆけない
肩だから


 底に、四月はいつもある


泥をかきわけて
そのなかを親しむような

見上げることの
はじまりに
どこか、
なにかの
沈みを
おぼえるような


 空が、
 抱きとめるもののすべてを
 わからないまま

 ぬくもりは、不可思議


染まりゆくときを
繰りかえしても
知らずには終われない
素顔なら

待つも待たぬも
春の色


それは
途方もなく

やさしく続く






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