蒼い少年/成澤 和樹
急いで乗り込むのだろう 我も忘れて
成長も、老いてもいない
分かってたんだ 逃げたことを
畏れてたんだ 薫る風の寂しさを
片隅で眠り込む それが僕だということも
それでおしまいもいいだろう
温もりは気持ちがいいよ
でも湧き上がるんだ
どうしても、抑えきれないものが
まどろみの中 外を眺めていると
一瞬 小さな子が過ぎ去った気がした
興味ない目をして こっちに愛想笑い
つまりは、そういうことなんだ
まだ何もはじまっちゃいない
なれるかな
時を走り抜けてゆく
蒼い少年に
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