蒼い少年/成澤 和樹
 
少年時代 何にも無い野原を駆けていた僕は いつの間にかレールの上
行方も知れない列車に座り込んで 外を眺めていた
目の前に広がる世界は昔のまま 緑の季節を湛えている
まるで僕だけが時に乗って 老いてゆくかのようだ

僕の中でもう一人の僕が問う それはそうなのかと
成長し、老いゆくこととは、そういうことなのか、と
無限の大地を捨て、何故、どうやって乗り込んだかも分からず
今まで居眠りしていた この空間の僕を

悪くは無い ただ僕じゃない でも、もう一度降り立つ勇気もない
考えるときがある 僕が僕であったなら
過ぎゆく人たちを見たらきっと おいていかないで、と
叫び 喚き 急
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