桜よ/ウデラコウ
なぁ 桜よ
何が 面白くて 折角 待ち侘びた
淡い桃色を お前は
宙へと 手放して しまうんだ
なぁ 桜よ
今年も お前は 挨拶もなしに
行ってしまうんだな
俺は お前に ずっと ずっと
話しかけていたと いうのに
なぁ 桜よ
そんなに急いで
どこへ行こうと いうんだ
車に轢かれ 自転車に飛ばされ
それでも なお 進み続ける
お前の先に 待つものは何だ
なぁ 桜よ
お前が 待ってくれないと言うのなら
それなら それで
構わないから
ずっと ずっと 待っていた 俺に
お前を追いかける 権利を
くれないか
走り出すまで 少し
時間がかかるかも しれないが
すぐに 追いつくから
そして
お前が 脇目もふらず 追いかける
あの輝く 陽の光を
目指そう
なぁ 桜よ
季節が また
巡るんだな
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