死刑執行人/はじめ
僕の仕事は重罪を犯した人間を死刑執行人として処刑することだ
とても責任が重い仕事だ
今日も刑務所に罪人がやって来る
ひょろっとしていて猫背で全身が青白く目玉がぎょろっと出ている男だ
罪をとても後悔しているように見える
罪状はある男性の妻を強姦し子供と共に絞め殺したというものだ
一審で死刑の判決が下され罪人側が控訴したが二審でも同じ罪の判決が下され上告を棄却 死刑が確定した
罪人にはいつ刑が執行されるかは教えられない 罪人は毎日を怒濤のように押し寄せる恐怖と後悔のうちに過ごし 睡眠もままならず 食事も喉を通らない
このままだと処刑する前に死んでしまうんじゃないかとい
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