代表ジェラルミン、おおいに語る/hon
通りをよろめいた
おれが死なずにすんだのは幸運としかいいようがない
だがそこはほんのちょっと前まで何の変哲もない
四角いビルディングの群れであったのに
街並みはあれほど固くて確かで……鉄筋だったのに
確かだった世界がこんなに……変わってしまうとは?
ここまで話を聞いた諸君らにはもう分かっているとは思うが
爆撃を敢行したパイロットこそがつまり私である
私が街に爆弾を落としてまわったのである
諸君!
爆撃の甘美なることを私はいいたい
粛々と築かれた人間の営為が一瞬で灰燼と化す……
世に絨毯爆撃ほど甘美なるものがまたとあろうか
操縦桿を握る手は興奮でぞくぞく打ち震えたとも
逃
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)