微吟(九)/
信天翁
疎くなった耳もとへ
北風の夜遊びを密告してくる
小窓のサッシがカタコトと
使いふるした電気スタンドも
首をかしげてのぞいてくる
枕元で開いた文庫本の詩集をジロジロと
たるみかけたまぶたにむかって
眠気に抵抗しろとささやいてくる
尊厳な四次元がシンシンと
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