トルソー/はらだまさる
まっ赤で
おおきな歌に
くだかれた夕暮れの
かけらをよせあつめて
ぼくはトルソーを
つくった
奄美の島ざらめを
たくさん、うみにながしたら
おおきな涙になったから
おおきな歌より
おおきな涙を
本にして
ぼくは
夕暮れでつくった
トルソーに
おおきな声で
よんで聴かせた
のらネコが
空のさかなを
おいかけて、二匹とんでゆく
歯に挟まったサンゴの砂と
恥じらいと胸の軋みを
選り分けて
なんにも
話してくれない
トルソーに
かなしみを
教えてやるんだ
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