4月の風が血管を通り越して背中から抜けてゆく/虹村 凌
 
煙草で焦がした風穴が空いたまま
ベランダに出て五分前の太陽の光を浴びている
昨日のメッキはもう
半分以上も剥れていて
ロウキーライティングで誤魔化すばかり

夜空を眺めながら物語をねだるから
幾千億年前の光が人の世の定めを告げるのさ
と口付けながら言う

占い師は宝くじを買わない
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