無題/キメラ
 
さないことだろう
首をきって転がす
そんなに驚く要素じゃないように
世界の中の一続きの巨大なアルファベットを組み立てている

夜にはぐれた無声のへやでまたひとつ
かわり逝く形
キラキラと…
ちがう
ちがうなんなんだろうこの空虚は
おそろしい空虚がオレを渦巻いて言葉をかき消す
心音が手に取るように伝わり鼓動がいびつを連れてくる
火を放ち焼けただれるまえに
手を翳したものが規定通りに崩れさってゆく
ゴムチューブばかりが感に触る
さっきから何を考えていた?
伸縮率など人のこころのようにどうでもよく伸びるから
巻き付く夜の濃度を簡単には押さえられない
本末転倒ミイラとりがミイラ
エアコンのファンだけがまるで変わらないように
夜に轟いている



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