イーサー/イーサー/石田 圭太
 
で対抗していたあの日
ただの背泳ぎだった
ほとんど素直なままそうだった
生きる知恵が漂う場所で専用の
水かきを得た専用の
空、空、と君が言うから星を探せば海だった
だから俺達は泳いだ、泳いだ
鼓動/86.400回
それで
水みたくなってしまえば
歌いながら生きる決意をしました、と
イーサーになりたい君が言って
なにを今更と俺が言った
ふたつの狭間で意味が分かる
あの時君が
「あっ」
って
答えのようなものを見付けて
その何かを俺に伝えようとしたなら
それは意味のある音として
ここまで伝達されたのかも知れない
でも何も知らなかった
俺達は耳栓をしていたし
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