神が降る/千月 話子
 
(ネ)=馬。に乗った
(申)=猿。が
空に向かって手を差し伸べる

何に祈りを捧げているのか

血の流れが中心に集まる
身体に熱く充満する

その感覚が招くのか

空の何処かに 目に見えぬ
不可思議な者がいるのだと

思い違えた 猿達は
進化の過程で「神」を見る

(ネ)=馬。に乗った
(申)=猿。=人間。が
空を見上げ 不確かな者に
祈りを 捧げる

まだ気づかないのか?

熱くたぎる想いを叶えているのは
自分自身なんだということを


ただ 裏側で
臆病な 声が
「置き換えてこそ 美しいのです」と

空に視線を彷徨わせ 訴えかける
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