タナトス/はじめ
はない 〈攻撃と死への欲動〉が僕の心臓の高鳴りを更に高くする
冬だというのに白いワンピースの君は両手を挙げて階段を降りていく(僕だって冬なのにこの格好だ) 僕は両方の衝動に幸せを感じながらハハハ!! と不気味に(自分で不気味だと思う)笑って転がっている鉄パイプを拾って君を殺そうと思った と同時にここから飛び降りて車に轢かれてぐちゃぐちゃになりたい欲動が疼き始めた 僕は先回りする為 5階建てのビルから飛び降り 下の店終い直前の青果店のリンゴやレモンや蜜柑の中に墜落して果物をぐじゃぐじゃにした 右肩と肋骨と左足に激痛が走った 僕は痛みに涙を流しながらエヘヘ!! と笑っていた 君は物音に振り向いて一
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