灰色レンズアイの男/カンチェルスキス
 
を落とすと停まらない駅の
 ホームの白線ぎりぎりに白のタイトスカートに
 水色のブラウスの地味な女が立って
 書店カバーのついてる新刊本を読んでた。
 まわりのざわめきとは一線を画してて
 まるでぱっきりそこだけ切り離されたような空間にいて
 自分の趣味嗜好なんて言うつもりもないし主張することもないけど
 ただ単純にあの女の全体を舐めたいとおれは思った。
 そしてあの女も舐められたいと思ってるに違いなかった。
 付け加えればあの女はおれの全体を舐めたいと
 思ってて
 そうしてくれないとおれはだめだ。
 だめだ。
 だめだ。
 相思相愛なんだ。
 だから出会うことがで
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