マイノリティ・ウォーキング/角田寿星
道路は鈴なりの駐車の列で街は眠
らない日本は眠らない暗闇はやっぱり怖くて星空なんか見た
くないもっと遠くに行きたい同じことばの同じ日本の同じ街
の灯りをいつまでも眺めていたい他人の不幸も幸せも飽き飽
きだ腕の中のこの子の幸せだけ見ていたいぼくだけが幸せに
なればいいぼくは眠らない日本は眠らない日本はいつまでも
起きている
もう一つ先のブロックまで行きたかったけど
排ガスと夜風にあたって
たあくんが軽く咳をしたので
抱きなおして
ゆっくりと帰った
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