俳句の授業?/カスラ
咳をしても一人
有名な尾崎放哉の句であり、筆者の年代では、この句とともに俳句を初めて手にしたのは、芭蕉などと一緒に中学の国語の教科書の中にてである。今日は遠い記憶をたよりに中学時代の授業の中の詩歌を思い出してみたい。
尾崎放哉はその奔放な性格のためか、東大法学部卒のエリートでありながら社会的地位や家族を捨てて、晩年孤独のうちに死んだ明治・大正期の俳人である。14歳の中坊だった当時、この国語の授業中、同時に知り得た芭蕉の天の川を詠んだ、
荒海や佐渡に横たふ天の川
の、『横たふ』に感銘を受けた。筆者の通った当時の地方(釧路市)の中学は地元では一番の進学校で、同級生からは
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